高校生の時から、自身の人生に寄り添ってくれている詩
2024.08.27 更新
「道」 松下幸之助
自分には自分に与えられた道がある。
天与の尊い道がある。
どんな道かは知らないが、ほかの人には歩めない。
自分だけしか歩めない、二度と歩めぬかけがえのないこの道。
広いときもある。狭いときもある。登りもあれば下りもある。
坦々としたときもあれば、かきわけかきわけ汗するときもある。
この道が果たしてよいのか悪いのか、
思案に余るときもあろう。
なぐさめを求めたくなるときもあろう。
しかし、所詮はこの道しかないのではないか。
あきらめろと言うのではない。
今立っているこの道、今歩んでいるこの道。
ともかくもこの道を休まず歩むことである。
自分だけしか歩めない大事な道ではないか。
自分だけに与えられているかけがえのないこの道ではないか。
他人の道に心をうばわれ、思案にくれて立ちすくんでいても
道は少しもひらけない。
道をひらくためには、まず歩まねばならぬ。
心を定め、懸命に歩まねばならぬ。
それがたとえ遠い道のように思えても
休まず歩む姿からは必ず新たな道がひらけてくる。
深い喜びも生まれてくる。